金融のしくみ

金融は私たちの生活に深く関わっている。

含み損10兆5000億円

日銀が保有する国債の含み損が9月末時点で10兆5000億円に拡大し、比較可能な2004年度以降で最大となりました。

日銀
日銀による金利操作の見直しで長期金利が上昇したことが主な要因となっているようで、日銀が公表した今年度上半期の決算によれば、今年9月末時点の保有国債の含み損が10兆5000億円と、3月末時点の1571億円から大幅に拡大し、国債の含み損としては比較可能な2004年度以降で最大だとしています。

これは、日銀が今年7月に金利操作を見直して長期金利の上限を引き上げたことを受け、債券市場で金利が上昇、国債の価格が下落したことが主な要因となっており、日銀はデフレ脱却を目指し大規模な金融緩和政策のもと、大量の国債を買い取る措置を続けていますが、長期金利の一定程度の上昇を容認したことで含み損が膨らんだ形となっています

日銀は国債を満期保有することを前提としているため、目先の収益や政策運営に問題は生じないとしていますが、市場が財務状況を懸念すれば為替や金利に影響が出るとの見方もあるようですね。

メガバンク、固定型の住宅ローン金利引き上げ

メガバンク3行が、11月から固定型の住宅ローン金利を引き上げています。

メガバンク
10年固定では0・10~0・15%幅上げ、各行の水準は、10~12年ぶりの高さとなります。

日銀は、緩和策を修正し、長期金利の上昇をこれまでより許容するとし、今後、長期金利が上昇すれば、住宅ローン金利もさらに上がるとみられています。

これで3行そろっての引き上げは4カ月連続、短期の金利が指標となる変動型の住宅ローン金利は、各行とも据え置かれています。

10年固定の基準金利は、三井住友銀行は0.15%幅引き上げて年3.94%(最優遇金利は1.29%)、みずほ銀行が0.10%幅引き上げて3.65%(同1.55%)、三菱UFJ銀行は0.10%幅引き上げて3.82%(同1.04%)となっています。

全銀ネットでシステム不具合

一般社団法人全国銀行資金決済ネットワークによれば、10月10日に発生した全国銀行データ通信システムの不具合により、一部銀行で他行あての振込取引ができない問題について、10日から11日の夜間に復旧に向けた対応を実施したものの、11日の午前7時時点においても事象の解消の目処は立っていないのだとか。

全国銀行協会
全銀システムにおける取引に影響が及ぶ障害は1973年の稼働以来初めてのことで、システムを運営する全国銀行資金決済ネットワークによれば、三菱UFJ銀行やりそな銀行地方銀行など11の金融機関で、他の金融機関宛ての振り込みや着金ができなくなっているのだそうで、バックアップの仕組みを使ったようですが、一部取引は、決済処理が残っているのだとか。

他行宛ての振り込みができなくなっているのは、三菱UFJ銀行りそな銀行埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、山口銀行、北九州銀行三菱UFJ信託銀行、日本カストディ銀行、JPモルガン・チェース銀行もみじ銀行商工組合中央金庫の11金融機関。

1973年4月に発足し、2018年10月9日から24時間365日稼動している全銀システムは、日本のほとんどの預金取扱金融機関が参加しており、1営業日平均約675万件、約12.2兆円の取引(年間約16.5億件、約2993兆円)が行われています。