金融のしくみ

金融は私たちの生活に深く関わっている。

個人金融資産2121兆円

日本銀行が公表した7月から9月期の資金循環統計(速報)によれば、9月末時点で個人(家計部門)が持つ金融資産残高の合計は2121兆円、1年前から5.0%増え、4四半期連続で過去最高を更新したのだそうです。

個人金融資産

貯蓄から投資に金融資産を振り向ける動きがあったことに加え、国内の株式相場の上昇で、株式や投資信託の残高が増えたようで、「現金・預金」は前年同期比1.2%増の1113兆円で、金融資産全体の52.5%を占めた一方、投資の活発化により「株式等」は30.4%増の273兆円、「投資信託」は17.4%増の101兆円で、いずれも過去最高となりました。

なお、日銀の国債保有残高は574兆円で全体の53.8%に上り、比率は過去最高となりました。

含み損10兆5000億円

日銀が保有する国債の含み損が9月末時点で10兆5000億円に拡大し、比較可能な2004年度以降で最大となりました。

日銀
日銀による金利操作の見直しで長期金利が上昇したことが主な要因となっているようで、日銀が公表した今年度上半期の決算によれば、今年9月末時点の保有国債の含み損が10兆5000億円と、3月末時点の1571億円から大幅に拡大し、国債の含み損としては比較可能な2004年度以降で最大だとしています。

これは、日銀が今年7月に金利操作を見直して長期金利の上限を引き上げたことを受け、債券市場で金利が上昇、国債の価格が下落したことが主な要因となっており、日銀はデフレ脱却を目指し大規模な金融緩和政策のもと、大量の国債を買い取る措置を続けていますが、長期金利の一定程度の上昇を容認したことで含み損が膨らんだ形となっています

日銀は国債を満期保有することを前提としているため、目先の収益や政策運営に問題は生じないとしていますが、市場が財務状況を懸念すれば為替や金利に影響が出るとの見方もあるようですね。

メガバンク、固定型の住宅ローン金利引き上げ

メガバンク3行が、11月から固定型の住宅ローン金利を引き上げています。

メガバンク
10年固定では0・10~0・15%幅上げ、各行の水準は、10~12年ぶりの高さとなります。

日銀は、緩和策を修正し、長期金利の上昇をこれまでより許容するとし、今後、長期金利が上昇すれば、住宅ローン金利もさらに上がるとみられています。

これで3行そろっての引き上げは4カ月連続、短期の金利が指標となる変動型の住宅ローン金利は、各行とも据え置かれています。

10年固定の基準金利は、三井住友銀行は0.15%幅引き上げて年3.94%(最優遇金利は1.29%)、みずほ銀行が0.10%幅引き上げて3.65%(同1.55%)、三菱UFJ銀行は0.10%幅引き上げて3.82%(同1.04%)となっています。