資産運用立国の実現へ

金融庁が公表した「金融行政方針」で、来年1月に拡充される個人投資家を対象にした優遇税制「NISA」の普及に取り組むとともに、資産運用会社の運用力を高めるための環境を整備するなど、資産運用立国の実現に向けた具体的な政策プランを年内に策定する方針が示されました。

金融庁

金融行政方針では、資産運用立国を実現し、国民の資産所得を倍増させるプランを推進すると強調しており、具体的には、来年1月に新しい「NISA」の制度が始まるのにあわせ、デジタル技術を活用してサービスに関わる手続きが簡単にできるようにするとともに、財務局や業界団体と連携したイベントやセミナーを開催し、制度の周知に努めるとしています。

また、資産運用会社の運用力やガバナンスなどに課題が指摘されていることから、運用人材の確保や専門性の向上に取り組むほか、情報開示のあり方を含めたガバナンスの向上を後押しするための環境整備を行うとし、こうした取り組みを関係省庁と連携して進め、資産運用立国の実現に向けた具体的な政策プランを年内に策定するとしています。

さらに、高い利回りをうたう一方で、リスクを伴う「仕組み債」と呼ばれる金融商品の販売方法などをめぐっては、問題が相次いだことを受け、顧客のニーズに沿った形で金融商品を開発し、販売するよう金融機関に対して態勢の整備を促すとしています。