金融のしくみ

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アメリカ長期金利が急低下

長期金利の低下が世界で加速し、アメリカ10年物国債利回りが7日に一時、前日より0.14%低い1.59%へと急低下(価格は上昇)しました。

米中対立や世界経済への先行き不安と世界的な利下げを受け、マネーが国債に逃避しているようで、投資家のリスク回避姿勢が強まり、7日のアメリカ株式市場では、ダウ工業株30種平均が一時、下げ幅を589ドルまで広げる場面があった。

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金利
世界的な金利低下の引き金を引いたのは、1日のトランプ大統領による中国への追加関税の表明で、5営業日の低下幅は0.43%に達し、アメリカ国債の格下げで市場が動揺した2011年8月以来の急低下となりました。

金利水準は、アメリカ大統領選直前の2016年10月以来の低さで、2016年7月に付けた過去最低(1.32%)を視野に入れる投資家も出始めています。

この金利の低下基調は、ヨーロッパでも鮮明で、10年債はドイツやフランス、ベルギーなどでマイナス金利での過去最低更新を続けており、財政不安のくすぶるスペインでも0.12%とマイナス金利が目前となっています。

アメリカ国債金利が下がれば日米金利差が縮小しやすくなり、金利の高さに着目してドルを買っていた投資家が円を買い戻す動きにつながっており、7日のニューヨーク市場では1ドル=105円48銭と約7カ月ぶりの水準まで円高・ドル安が進む場面も。